5月16-18日まで熊本で第56回日本糖尿病学会年次学術集会が開催されました。
僕は仕事のため、17-18日のみの参加でしたが、非常に活発な学会でとても勉強になりました。
本会で、日本糖尿病学会より「熊本宣言」がなされ、6月からHbA1cの新たな目標値の運用が開始されます。
1)HbA1c 6%未満;血糖正常化を目指す目標
2)HbA1c 7%未満;合併症予防のための目標
3)HbA1c 8%未満;治療強化が困難な際の目標
したがって、すべての糖尿病患者さんで、最低でも8%未満を目指し、さらに合併症を予防するために可能であれば7%未満を目標として管理していくことになります。
これまでわかりにくかった糖尿病管理目標値がよりわかりやすくなり、患者さんにも説明がしやすくなりました。
ただし、個人的にはまだまだエビデンスの足りないことも多いとは思っています。
特に高齢者糖尿病患者の管理方法や細小血管合併症以外の合併症について、本当にこの指標でいいのかどうか、などの解決すべき問題点も残されています。
残念なことに日本でも糖尿病患者の数は急増しており、介護の問題や医療経済の問題などを考えると、糖尿病の合併症をいかに予防するかは大切な社会問題であり、今後も僕たちが取り組んでいかないといけない重要課題であると思っています。
ひとりでは大きな仕事はできませんが、医局の先生たちやコメディカル、製薬会社の方々、そして患者さんたちと医療の発展につながる仕事ができるように、これからも頑張っていきたいと思います!